エディーローソンは凄い人です!
フレディー・スペンサーやキンゲケニーを知っていて、エディを知らない?
それはもぐりです。
エディー・ローソン(Eddie Lawson)選手
エディ・ローソン選手は、カルフォルニア出身のアメリカ人ロードレーシングライダー。
愛称はそのシュアな走りから「ステディー・エディー」。
世界選手権、ワールドグランプリシリーズ(WGP)の中でも最高峰クラス、今はなき500CCクラスで、しかもヤマハとホンダのメーカーをまたいで4度の年間チャンピオンになったスーパースターです。
1980年代~1990年代、常にチャンピオン争い、常にトップランカーとして活躍するような、そんなライダーなのに不思議と目立たない、速くて強い、本物のスーパーレジェンドです。
アメリカ時代
アメリカで、ミニバイクやフラットトラックレース(またの名をダート・トラックレース)で腕を磨き、1980年にはAMA(アメリカの国内選手権)のロードレースライダーになり、スーパーバイク地と250CCクラスにエントリーします。
ローソン選手はヤマハのイメージが強いかもしれませんが、このときはカワサキの契約ライダーとしてエントリーしています。
AMAチャンピオン
1980年の翌年1981年にはAMAスーパーバイクのチャンピオンになります。
見てのとおりです。
「ステディー・エディー」なんて愛称は嘘っぱちです。
走りは熱く、闘志に燃えています。
転倒しない、マシンも壊さないから目立たないだけ。実際には凄まじい走りをしているのだけれど、遠くから見るとスムーズに見える「職人的なマシンコントロール」で、当時の映像資料などからはその判読が出来なかっただけだと思います。
250ccクラスへのスポット参戦という形で、世界グランプリデビューも果たしていますが、世間的にはあまり注目されてはいませんでした。
ちょうどこの同じ時期に居た同じアメリカ人の強力なライバルが「フレディー・スペンサー」です。
AMAから世界GPフル参戦へと同じ道を歩むことになるのですが、ライバルのスペンサー選手はローソン選手を尻目に大注目を浴びていきます。
世界GPでキング・ケニーをサポート
1983年は、マルボロ・ヤマハから世界グランプリWGP500ccクラスにフル参戦します。
チームメイトはケニーロバーツ!そう、あの「キング・ケニー」です!
もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、そう!あの1983年です。
「ヤマハ vs ホンダ」
「キング・ケニーvsファースト・フレディー」
それが熾烈を極めた’83年です。
(#27エディー・ローソン、#3フレディー・スペンサー、#4ケニー・ロバーツ)
ローソン選手は、3年連続世界チャンピオン経験者のケニー・ロバーツがチャンピオンを獲るために、彼のサポート役を仰せつかります。
しかし、この年の2人のライダーは速すぎました・・・。ケニーをサポートするために、具体的には、ライバルであるフレディー・スペンサーの前でゴールして、ケニーとフレディーとの得点差を広げる役割をする必要があるのですが、シーズンを通して一度もそれが叶わず。
ホンダNS500+フレディー・スペンサーの世界最年少世界チャンピオン獲得を許してしまうことになりました。
それでもローソンは本物
1984年、憧れの先輩ケニーロバーツが引退すると、スペンサーとの対決を制し、早くも世界チャンピオンに輝きます。
その後も1986年、1988年とYAMAHAの看板を背負って、エースライダーの強さを見せつけていきます。
まさかの電撃移籍!ヤマハからホンダへ
1989年シーズンに、すでに3回も世界チャンピオンを獲得しているヤマハのエース中のエースがホンダへ電撃移籍します。
ヤマハのトップチーム、チーム マルボロ・アゴスチーニ・ヤマハから、ロスマンズ・カネモト・ホンダへ。
色々な感情もあったと思いますが、ヤマハの最強選手が、ホンダのトップチームへ移籍です。
スポンサー、チーム、マシン、すべての環境を変えて、しかも、そのすべてが、昨年までライバルだった相手に、我が身を委ねたわけです。
当然、シーズン前半、マシンも仕上がらず、怪我もして思うように走ることが出来ず。それでも諦めずに走り続けていきます。
前年チャンピオンを競い合った同じロスマンズホンダのワイン・ガードナー選手だけではなく、若手の台頭もあり、ウェイン・レイニー、ケビン・シュワンツをも含めた4つ巴の争いになりますが、シーズンを通してポイントを重ね、なんとか食らいついていきます。
苦戦が予想される状況の中、後半戦で巻き返しをはかり、移籍1年目で見事4度目のチャンピオンを奪い取ります!
まさかの出戻り・・・ヤマハへ
1990年にヤマハへ戻ります。
チームロバーツ・ヤマハ。
あのケニーロバーツが監督、チームメイトは前年にチャンピオン争いをした同じアメリカ人のウェイン・レイニー選手です。
レイニー選手がチャンピオンとなり、ローソン選手自身は、地元アメリカグランプリでの怪我が惜しまれるシーズンになってしまいました。
8耐!テック21で平忠彦との夢のペアライディング
怪我に泣いた1990年の夏、本人も予定していなかったという夏の祭典、鈴鹿8時間耐久オートバイレースに参戦します。
ペアライダーはヤマハの日本トップライダー 平 忠彦(たいら ただひこ)選手。
1985年、ケニーロバーツ&平忠彦組が、ヤマハ勝利目前のレース終了30分前の悲劇以来、ずっと優勝に手が届かない平選手には最強のパートナーとして、互いに手を握りました。
そして、資生堂TECH21(テック トゥーワン)レーシングチームに念願の8耐初優勝を運びます。
とにかく速いし上手い。優勝請負人の強さをまじまじと見せつけてくれました。
カジバへの移籍
「最期の2年をカジバ(CAGIVA)で過ごす。」
1991年にカジバに移籍、1992年にチームカジバにとっては長年念願の初優勝をもたらして、WGPレースから引退してしまいます。
エディーのマシン開発
エディー・ローソン選手は結局、カワサキ、ヤマハ、ホンダ、カジバの4メーカーを渡り歩き、すべてを戦闘力のある形に整えていきました。
もちろん、ロブ・マジー(AMA時代のチューナー)、ケルキャラザーズ(ヤマハ時代)や、アーヴ・カネモト(ホンダ時代)らといった、名メカニックの存在も忘れるわけにはいきませんが、ライダーとしてだけではなく、マシン開発者としての才能も、遺憾なく発揮されたのではないでしょうか?
エディーローソンのヘルメットが興味深い
(ガンダムダクトではありませんが、1988年でしょうか?コースによって変えることがあったと記憶しています。)
気まぐれではないでしょうが、希少な黒バージョンヘルメットを着用したレースもありました。
エディー・ローソン選手は、結構な頻度でヘルメットメーカーとデザインを変えているので、ファンとしては、追いかけるのが大変です。
ショウエイさんもこれまでに何パターンかローソンレプリカヘルメットを販売してくれていますので、好きなデザインのものを手にできた人はラッキーかもしれません。
Kawasakiのローソンレプリカ
エディー・ローソンさんはKawasaki党にも人気が高い人です。
このライムグリーンを身にまとったkawasaki Z1000R、いわゆるローソンレプリカですが、いまだに人気のバイクです。
編集後記
世界クラスのトップライダーですのでね、パーティーなどに呼ばれることも多かったそうです。
でも、「明日はレースだから、今日はホテルへ帰ります。」みたいな人だったそうです。
スポンサーさんなどからしたら、凄く愛想のない人に映ったかもしれませんが、本人は至って真面目。「レースに出て勝つのが仕事」で、それが最優先!というぶれない心構え、行動指針をお持ちだったようです。
以上、ストイックな優勝請負人、エディー・ローソン選手のお話でした。
エディー・ローソン関連書籍
興味深い話がまだまだあります。
気になる人は専門雑誌「Racers(レーサーズ)」などをオススメします。
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