辻本聡、ポップ吉村に愛された男。
ほとばしる才能!A級1年目で全日本チャンピオン
国際A級にあがった1年目。ヨシムラ・スズキからTT-F1クラスに参戦し、翌年にはチャンピオンゼッケンの1番をまとうことになる名選手です。
TT-F1とTT-F3クラスで活躍しますが、長身細身で手足が長く、ヨシムラカラーのバイクを自在に操る姿が印象的でした。
▼▼▼実際のライディング映像
ディフェンディング・チャンピオンとして迎えた1986年シーズンの序盤に、足を骨折(左足の甲でしたでしょうか・・)するのですが、バーディーペダルを取り付けて、シフトチェンジを出来るようになんとか工夫して闘い、この年もチャンピオン!2年連続でチャンピオンになるというバケモノです。
鈴鹿8耐とポップ吉村
1986年、辻本選手は夏の祭典、鈴鹿8時間耐久オートバイレースに参戦します。
ペアライダーはケビン・シュワンツ選手。後の世界チャンピオンです。
ヨシムラジャパンの誇る日本の若きエース辻本聡と、USヨシムラでブイブイ言わせていたケビン・シュワンツ選手のコンビ!
レース終盤、シュワンツ選手から辻本選手へライダーチェンジ。そのときチームヨシムラの総師、ポップ吉村こと吉村秀雄氏曰く「辻本に任せておけば大丈夫!」辻本選手が如何に吉村氏から信頼されていたかが分かりますね。
そして見事、3位表彰台を獲得しました。
TT-F1クラスってなに?
車にもF1やF3があるように、全日本ロードレース選手権のひとつのカテゴリーです。
オートバイのTT-F1は4サイクルエンジンなら750ccまで、2サイクルエンジンだと500ccまでの、市販車改造クラス。ただし、改造許可範囲が著しく広いため、なんでもありの様相を呈し、名チューナーであるヨシムラの強さが際立っていました。
アメリカへ、デイトナ200マイルレース参戦
長身イケメンなので、アメリカも大型バイクも似合います。
雨がやみ、濡れた路面が少しずつ乾いていくことが予想されたタイヤチョイスが難しいレース。
「ここはスリックやろ!」(本当は英語でしたでしょうけれど・・・)とメカニックがタイヤを組み替えて望んだレース本番。
まぁ乾かない!路面はウエットのまま。ライン上だけがうっすらと乾いていき、そこを外すとスリップダウンという難しいレースでも、3位表彰台に登ります。
レース後、「一生分?白髪が増えた。」的な発言をされていました。それはそうでしょうね。
AMAスーパーバイクへのチャレンジ
デイトナウィークの後、そのまま全米選手権であるAMAスーパーバイク選手権にフル参戦の計画があった辻本選手ですが、転倒に巻き込まれて、まさかの大怪我。首にダメージを受けて、シーズンを棒に振ります。
その時に絡んだ相手が、チームメイトのケビン・シュワンツ選手だったというあたり、何の皮肉だったのか、残念です。
スズキRGV500Γ
8耐でのペアライダー、ケビン・シュワンツは1987年からWGP500ccクラスで大活躍(ペプシコーラカラーのバイクを見た人も多いはず)することになりますが、徐々に、怪我の回復を見ながら、辻本選手も全日本選手権の国際A級GP500ccクラスにステップアップします。
スズキが新開発したV型エンジンのRGV500Γ(アールジーブイ・ゴヒャク・ガンマ)は開発途上、辻本選手も再び怪我と、乗りなれないマシンで、思うような活躍が出来ないレースが続きました。
ホンダへ移籍
1992年からコンビニエンスストアのampm(エーエム・ピーエム)をスポンサーにホンダへ移籍。
スズキのRGVΓからホンダのNSR500へと、チームもマシンも一新します。
でも、この人がすごいのはやはり4サイクルエンジンカテゴリーだったのかなと思います。
1993年にエディー・ローソンと組んで8耐に参戦。
1989年に伊藤真一(いとう しんいち)選手と組んで8耐参戦。
まるで水を得た魚のように快走し、共に2位で表彰台に上がっています。
こんなにすごい選手なのに、レース人生の後半はそれほど注目されない感じがあって、本当にもったいない選手でした。
参戦するクラスが違ったら、レースのカテゴリーがもう少し違っていたら、もっととんでもない記録を打ち立てていた選手だったかもしれません。
編集後記
辻本選手のたばこの手品が好きです。
真似して出来るようになりました。けっこう使えます。笑
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