片山敬済とNR500
日本二輪ロードレース界のレジェンド、片山敬済(かたやまたかずみ)氏。
世界グランプリでGP350ccクラスを制覇。
1977年、日本からはじめての世界チャンピオンになったレーシングライダーです。
ヤマハTZ350を駆って、開催された全11戦中5勝でのWGPチャンピオン。
同年のGP250ccクラスでも1勝を含むランキング4位。
翌年は、GP500ccとのWエントリーだったが、この年、ライバルのコークバリントン+Kawasaki KR350がとびきり速く、彼らを相手にタイトル連覇はならず、500ccでもヤマハのYZR500はワークスマシンとは異なり、マシンにハンデがあったようで世界ランキングも5位にとどまった。
ホンダの復帰と片山敬済の移籍
1979年にホンダが世界グランプリに復帰する。
その決定とともに、片山敬済はホンダへ移籍を決める。
理由は「ホンダが好きだから・・・」
ホンダはこの復帰のために、全く新しい概念のマシンを投入する。
そのマシンの名はNR500。
2輪ロードレースファンなら知らない人は居ない、伝説のマシン。
2ストローク500ccのライバルマシンたちを相手に、4ストローク500ccエンジン搭載のマシンで戦うことを決めていたのだ。
楕円ピストンという魔法
同じ排気量なら、パワー的に圧倒的に不利な状況を打破するために、ホンダは魔法を用意した。
楕円ピストンエンジン。
https://www.instagram.com/p/BzBgQFvCgNp/?utm_source=ig_web_copy_link
その他の新技術もふんだんに投入し、その結果、開発が遅れ、サーキットで戦いたいレーサー片山の期待に応えられる状況には、なかなかならなかった。
結局、1979年のデビューシーズンでは、イギリスGP、フランスGPの2戦にのみ参戦。
ただし、2レースともリタイアに終わっている。
イギリスグランプリは第11戦、8月のレースである。
そに至るまで、元世界チャンピオン、世界のトップライダーが走れないという異常事態だった。
デビューのイギリスGPでの予選結果はトップから7秒遅れ。
フランスGPに至っては、片山選手をもってしても予選通過ならず。
片山敬済にとっては、屈辱以外の何ものでもなかっただろう。
NR500の2年目(1980年)
1980年シーズン、NR500はこの年も仕上がらない。
この年はスズキの市販レーサーRGB500のまたがるという、契約上のウルトラCを使ってレースに出場。
イタリアGP、スペインGP、フランスGPでポイントを獲得。
NR500では低迷。
フィンランドGP、イギリスGP、西ドイツGPの3戦に出場するものの、イギリスで15位、西ドイツで12位完走。
なんとか完走は出来たものの、ポイント獲得には至らなかった。
NR500の3年目(1981年)
この年、13位完走が1度。
ほかはリタイヤ。
https://www.instagram.com/p/B9zxH1cHclc/?utm_source=ig_web_copy_link
1979年、1980年、1981年と、ホンダへの期待とともに走り続けた3年間であったが、NR500としてはノーポイントで終わった。
後に、片山敬済選手は、こう語っている。(と言われている・・・)
「あの3年間、レーサーとして棒にふったな・・・」
注)これ、匿名さんからコメントも頂きましたが、話が独り歩きしているだけで、実はご本人は言っていないんじゃないかと思われます。確かに、最近になってYouTubeで語っている姿を見ても、「無駄な時期だった」というような発言はされていないんですよね。
350ccで世界チャンピオンになり、その後も500ccで、最高峰の最速クラスでの世界一を目指すはずだった片山選手。
ライバルのケニー・ロバーツ選手らとともに、チャンピオン争いをするはずだった片山選手。
一番脂の乗った時期に、ほとんど塩漬けのままで3年の時を過ごした。
「もし」という世界があるのならば、
スズキやヤマハに乗った片山選手を観てみたかった。
NR500の後、ホンダは、世界チャンピオンマシンとなる、NS500やNSR500を、世界グランプリに送り出します。
時代が少しだけずれていたら・・・
世界の最高峰クラスでチャンピオン争いが出来る選手というのはそうそういませんので、もったいなかったなとは思います。
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棒にふったとは言ってない
匿名様
コメントありがとうございます。
確かに、直接聞いたわけではないので、記事を修正させていただきました。